もう1度【助産師】になろうと思ったきっかけ②

◆助産師ママの生きざま

北海道に嫁ぎ

5歳・4歳・2歳・0歳の4人の子育てをしながら

フリー助産師をしている

 

ハッピーマタニティ相談室 助産師ときえです。

 

    
  
 

右矢印妊娠・出産・産後に不安のある方

 

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もう1度【助産師】になろうと思ったきっかけ②

今回は
病棟助産師時代に出会った
妊娠35週で胎内で死産になってしまった
ママさんのお話
です

前回の記事もう1度【助産師】になろうと思ったきっかけ
をご覧になっていない方はこちらから↓

この方との経験は
助産師を退職した後も
心の片隅でずっと引っかかっています

当時、私は助産師2年目で経験が浅く
妊娠後期で死産になってしまった方と関わらせていただくのは初めてでした

妊娠後期になると
お腹の中で赤ちゃんが亡くなっていても
人工的に陣痛を起こして

”出産”をしないといけません

出産は前日に終え
(私は出産に立ち会ってはいません)

今日は
納棺の日

先輩助産師さんから
「納棺初めてでしょ?立ち会わせて貰いなさい」
と言われ
赤ちゃんの納棺に立ち会わせていただくことになりました

立ち会ったのは
私と先輩助産師2人、ママとお祖母ちゃん
の5人でした

35週にもなると
赤ちゃんは産まれたばかりの新生児と
大きさも姿もほとんど変わりません

あと2週間もすれば
元気に産まれてきてもおかしくなかった
その赤ちゃんの亡骸が棺の中におさめられた瞬間

涙が溢れて止まらなくなりました

1人でボロボロと泣いて
納棺を手伝うどころではなかったのですが

その時
一緒に立ち会っていた
その赤ちゃんのママとお祖母ちゃんは
どうしていたかというと

悲しむ様子も無く
部屋の隅っこで

ただ茫然と立ち尽くしていただけ
だったんです

そしてお祖母ちゃんが
「助産師さんがあんなに泣いてくれているよ。よかったね」
と自分の娘である赤ちゃんのママに話していました

それでも赤ちゃんのママは反応が
ありませんでした

その姿を見て
この子はママやお祖母ちゃんにも
悲しんでもらえないのか・・・と

更に涙が溢れてきました

もう9年近く前の話ですが
今でも鮮明に覚えています

ママやお祖母ちゃんは
なんで自分の赤ちゃんの納棺に

涙を流すことなく
悲しみも見せることなく
言葉もかけることなく
近寄ることもなく


どこか
他人事のように
ただそこにいただけだったのだろうかと

もしかしたら
我が子が亡くなったという
現実が受け入れられなかったのかもしれません

どうやって反応すればいいのか
分からなかったのかもしれません

本当のところは分かりません…でも

疑問と違和感
そして一番に

後悔

を感じました

9ヶ月も妊娠期間を赤ちゃんと過ごしてきて

胎動もたくさんあったと思うし
育児用品も用意して
さあいつ産まれても大丈夫!

というところまで

心も身体も準備できていたのではないか?

と思うんです

もしかしたら、なにか他に理由があったのかもしれません
ですが疑問を抱えたと同時に

妊娠中、出産、産後と関わらせて頂いた
私たち助産師は
そのお母さんになにかできたのではないか?と

ずっと自分自身に問かけてきました

○妊娠中からママになるための心のサポートができたんじゃないかな?
○ママになるための心構えって妊娠中のママに
どうやってお伝えしたらよかったんだろう…
○我が子を可愛いと思うためにはなにが必要なの?
○そもそも妊娠中ってどこまでママとしての自覚があればいいの?
・・・

妊娠中って思ったより身体はツラいですし
心の動きにも敏感で浮き沈みが激しい…

そして女性は妊娠出産で人生が大きく変わる
とてもデリケートな時期です

一人の女性として生きてきた状態から
出産
を経験することで
その日から”ママ”になります

”ママ”になったら
自分のことだけを考えて生きてきた生活から
赤ちゃんと一緒の生活
になります

頭で分かっていても実際
身に降りかかると
なかなか大変で

例えば
一人でゆっくり食事→赤ちゃんを抱っこしながら食事

行きたいときにトイレ→赤ちゃんが泣いていない隙にトイレ

1人で半身浴1時間→赤ちゃんと一緒に湯舟は3分だけ

のんびり好きな時に買い物→赤ちゃんをおんぶして、更に重たい荷物を持って買い物

夜は好きなテレビを見て就寝→1時間~3時間おきに起きる赤ちゃんに母乳をあげて寝不足

家事も好きな時に好きなように→赤ちゃんが泣いてない隙、もしくは赤ちゃんをおんぶしながらササっと!


これって
妊娠中に想像していても
想像しきれない…

もちろん
私もそうでしたから

ただでさえ大変な子育て
突然なんの準備も心構えも無くママになったら
きっと子育てが途方もなく大変に感じてしまう…

そうならないためにも
妊娠中の
心と身体と物(環境)の準備が大切
なんだと思います

『準備8割』
って言いますよね

物事の80%は準備で決まるということ

”母親になる”
その準備の期間が
妊娠中
と思うんです

死産を経験されたママ

なぜ
自分の子の納棺が
他人事のようだったのか

私はそのママではないですし
本当の意味は分からないです

でも
妊娠中に
心と身体と物(環境)
の準備をちゃんとしていれば

もっと言えば
”ママになるための準備”ができていれば

自分の妊娠出産が
他人事にはならなかったのでは・・・?
と思うんです

助産師は
妊娠・出産・産後
命の誕生に関わらせて頂く尊い職業です

こういう時はこうすればいい
といった
妊娠・出産・産後の知識も重要ですが

命の大切さ
命の尊さ
命を育む素晴らしさ
母親の偉大さ

・・・
そういったことを伝えていくことって
ママになるために最も重要
なんだと思いました

時は経ち、妊娠出産を4回経験し
自分自身がママとなり
病院で助産師をしていたころ比べると
見える景色がガラっと変わりました

助産師としての知識だけではなく
ママとしての経験がプラスされました

私自身も妊娠出産で心がかき乱されたくさん涙してきました
子育てもたくさん失敗し
「もっとこうすればよかった…」
振り返ればそう思うこともたくさんあります
(そして今現在も手探り育児の真っ最中…)

今なら独身時代病院で助産師をしていた時にはできなかった
”ママになるための準備”
を伝えられるのではないのか?
と思いました

それが

ハッピーマタニティ相談室を開きたいと思った理由の2つ目です

本日も最後までご覧いただきありがとうございました

このような方はお力になれると思います

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【山端 ときえ プロフィール】

1987年産まれ、静岡県磐田市出身。

看護学校の時、小児看護担当の先生から、「助産師になってみない?」と進められる。
看護学校では出産の見学ができず、「出産も知らないのに・・・」と助産師になろうか悩むが、助産師は妊娠・出産・産後だけでなく、『女性の一生をサポートする職業』ということを知り感銘をうけ、助産師学校を目指すようになる。

助産師学校を卒業後は、総合病院の産科・小児科の助産師として4年間勤める。
主に、分娩介助(赤ちゃんを取り上げるお手伝い)・新生児のお世話・産後のママのお世話・母乳育児の相談・妊婦健診・両親学級の実施を経験。
その間、赤ちゃんを取り上げた人数約90名。お産に付き添った件数約500回。お世話させていただいた新生児の人数約1000人。その他に母乳育児や産後の相談を受けた件数1000件以上。

結婚を機に退職、北海道に嫁ぐこととなる。
2015年4月 長女出産
2016年5月 次女出産
2018年3月 長男出産
2020年5月 次男出産
義両親と3世帯同居の中、未知の土地で、4人の子育てを経験する。

4人目の妊娠・出産の際、コロナ禍で不安な日々を送り、孤独な出産を経験。
コロナ禍でも継続して安心安全な医療を提供してくれる医療従事者の方への『感謝』の思いと同時に、病院で出産するママ達へのサポートが手薄であることも実感した。

待ちに待った赤ちゃんとの生活のはずなのに、産後に新生児のお世話や母乳育児で悩んで、泣いているママの多さに疑問を抱いた。
”妊娠””出産”は一生続く子育てのスタートライン。
もっとハッピーなスタートを切ってもいいのではないか?ハッピーな子育ては、妊娠中から今後の子育てを見据える”マタニティマインド”作りから始まる。
そういった思いで、助産師として、また4人の子育ての経験も生かし、ハッピーマタニティ相談室開所を決意する。

コロナ禍の中、小さな子たちを育てながら、自分にもできることを探し、
相談は、ZOOM・LINE電話、メールを使って行う完全自宅STYLE。

かつて助産師を目指した際、自分の思い描いた理想の『女性の一生をサポートする助産師』を目指して、日々活動している。

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